海外短信 No.713

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No.713 2026年9月

海外の冷凍空調関連の気になるNEWSをピックアップ!


1.ASHRAEとUNEP、冷媒のライフサイクル管理で新たな2カ年計画

米国暖房冷凍空調学会(ASHRAE)と国連環境計画(UNEP)は、「ライフサイクル冷媒管理(LCRM)」と題する新たな2カ年計画を採択し、持続可能な冷媒利用の推進に向けた長年のパートナーシップを強化した。この計画は、2026年ASHRAE冬季会議(ラスベガス開催)において承認された。冷凍空調業界が代替冷媒への移行を進める中、両組織は、生産・設置から回収・再利用・廃棄に至る冷媒のライフサイクル全体を包括的に管理することがますます重要になっていると述べている。一部の従来型冷媒は放出されるとオゾン層を破壊する恐れがある一方、その代替として導入された冷媒の中には地球温暖化係数(GWP)が高いものもあり、効果的なライフサイクル管理は排出削減、システム効率の向上、そして技術者や地域社会の安全性向上に寄与するという。この作業計画、およびライフサイクル冷媒管理やエネルギー効率の高い冷凍空調システムに関するファクトシートを含むASHRAEとUNEP共同の資料は、技術者・政策立案者双方への支援を目的として、ASHRAEの専用ポータルを通じて公開されている。

ASHRAE and UNEP partner on life cycle refrigerant management plan
Refrigeration and Air Conditioning(RAC Plus) 2026年2月20日

2.英国:熱波の頻発を受け、健康・快適性を支える空調の重要性が高まる

英国の住宅・公共施設におけるエアコン利用拡大を求める政治的な議論をBBCが取り上げたことを受け、Carrier Solutions UK社もこの議論に加わり、猛暑の頻発化が進む中、英国は信頼性が高く専門家によって適切に設計された冷房設備をより重視すべきだと主張した。Carrier Solutions Europe(住宅部門)の英国・アイルランド担当営業ディレクター、David McSherry氏は、英国は変化する気候に適応する必要があり、夏季の気温上昇により建物の設計・改修・運用のあり方も変わりつつあると述べた。同氏は、効果的な冷房は入居者の健康と幸福に関わる問題として捉えるべきであり、病院・学校・介護施設・住宅にとって、快適な室内温度の維持は単なる快適性の問題ではなく、健康とレジリエンスの問題になっていると指摘した。同社はまた、性能について誤解を招く表示をした模造品や違法輸入されたポータブル冷房機器が増加していることを挙げ、消費者にオンラインでのポータブル冷房製品購入時の注意も呼びかけた。Carrier社は、仕様策定者・開発事業者・施工業者・販売代理店と連携し、プロジェクトの初期段階から効率的な冷房を組み込むことで、緊急に冷房が必要になった際に欠陥品や安全性に問題のある製品に頼るのではなく、信頼できる専門施工のシステムを顧客が選択できるようにする狙いがあるとした。

Carrier Solutions UK joins industry calls for better, safer cooling
Refrigeration and Air Conditioning(RAC Plus) 2026年8月3日

3.「Chilling Prospects 2026」、2050年までに暑さに関連する死亡率の上昇リスクが高い国々を特定

Sustainable Energy for All(SEforALL)は、世界の冷房へのアクセス格差を追跡する「Chilling Prospects 2026」を発表した。世界では年間約54万6,000人が暑さに関連して死亡していると推計されているが、被害の大きい地域では過少報告も多いとみられている。分析によると、2050年までに低所得国では、高所得国の10倍もの人が極端な気温により死亡すると予測されている。また、現在の暑さによる死亡率が高く、2050年までの死亡率増加も大きいと予測される国として、サハラ以南アフリカや中東・北アフリカを中心とする12か国を特定。暑さによる死亡を減らすには、地域の状況に応じた暑熱対策計画、早期警戒システム、医療インフラを含む多層的な対策が必要としている。

Chilling Prospects 2026
JARN 2026年8月28日

4.欧州のヒートポンプ普及地域を知る

欧州ではヒートポンプの普及が進んでおり、ノルウェー、フィンランド、スウェーデンでは、すでに半数を超える世帯がヒートポンプを所有している。2025年には、分析対象18か国のうち14か国で家庭用ヒートポンプの販売が増加し、21か国で約290万台を販売。現在、市場のほぼ半分をフランス、イタリア、ドイツが占めている。一方、ポーランド、スロバキア、英国などでは普及率がまだ低く、今後の成長余地は大きい。適切な政策や資金調達、市場環境の整備により、さらなる普及が期待されている。

Meet Europe’s heat pump hotspots
JARN 2026年8月20日

5.6月の熱波、フランスで約6,000人の超過死亡をもたらす

フランスでは6月17日から7月2日にかけて厳しい熱波が続き、6月24日と25日は観測史上最も暑い日となった。最高気温はサントで43.8℃、パリでも40.1℃に達した。フランス公衆衛生当局によると、この熱波による超過死亡者数は5,764人に上り、期間中の死亡者数は通常の水準を36%上回った。死亡の半数以上は、気温がピークに達した6月25日から27日の間に発生した。

June Heatwave Causes Almost 6,000 Excess Deaths in France
JARN 2026年8月25日

以上