中国制冷展 (CR 2025) 参加報告
No.706 2025年7月
第36回 国際冷凍・空調・暖房・換気・冷凍食品加工展示会(中国制冷展、以下CR 2025)が2025年4月27日から29日まで、中国・上海新国際博覧中心(SNIEC)にて開催され、視察および展示会委員会からブース交換の出展を行いましたのでご報告いたします。- 1.CR2025(制冷展)視察
CAR(中国制冷学会)とCRAA(中国冷凍空調工業会)共催の展示会。毎年開催されるが、奇数年は上海、偶数年は中国各地での開催で、本年は上海での開催であった。当工業会も隔年でブース交換を行っており、HVAC&R開催の年度にあたる本年は交換ブース出展(No. E1 G14)をしている。展示場の総面積は11.5万m2、1,200社の出展、(HVAC&R Japan 2024東京ビッグサイト:1.7万m2、151社⇒面積約7倍、出展社数約8倍の規模)。来場者は、100千人超(HVAC&R Japan:33.5千人⇒約3倍)となった。
写真1:上海新国際博覧中心 展示ホール配置
写真2:展示会場外観
展示の印象は、前回同様に地域丸ごとのジオラマでの各種ソリューションや、ビル丸ごとの総合制御の訴求をベースとしながら、今回は大型の遠心可変速チラー/HPを前面に出す会社が目立った。また、新たな技術としてAIを訴求する社も見受けられた。R290については、前回同様にRACは見当たらず、欧州向けATWに限られる。また、R32 VRFの展示があったが、欧州向けとのことであった。
期間中、46本のシンポジウムと、26本の技術セミナーが組み込まれていたが、英語通訳が入るのはシンポジウム2本のみであった。
- 2.オープニングセレモニー&CHR 2025 Forum
制冷展会場(SNIEC)隣接のKerry Hotelボールルームにて、中国の各関連団体(学会、工業会、当局等)、UNEPや海外の業界幹部等が出席し開催された。
写真3:オープニングセレモニー
- 3.Ozone 2 Climate Technology Industry Roundtable(UNEP/UNDP/中国環境省/CRAA共催)
シンポジウムの一つとして、展示会場内特設ブースにて開催
日時:4月27日(日) 13:30-16:30
【構成】
① モントリオール議定書状況と進展(中国生態環境省 オゾン層保護室)
② グリーンクーリングのトレンドとキガリ履行に向けたICR業界の課題
(中国生態環境省 海外環境協力センター)
③ 冷凍空調サービスセクターの政策枠組みとアジア太平洋地域での進捗(UNEP)
④ モントリオール議定書と冷房分野のグリーン化における転換の課題(UNDP)
⑤ 空調部門におけるエネルギー効率向上とR290導入促進
( Zhou Yunri / UNIDO)
⑥ 米国:冷媒転換と持続可能性計画の現状( Stephen Yurek / AHRI)
⑦ EU:RACHP業界における、HFC/HFOに代わる冷媒への移行
( Russel Patten / EPEE)
⑧ 日本:環境課題への冷凍空調業界の取組み(岡田専務 / JRAIA)
写真4:AHRI、Stephen Yurek氏
- 4.EPEEサイドイベント
開催日時:4月28日(月) 12:00 – 13:00
【内容】
・欧州におけるPFAS規制への対応(Russel Patten 氏:EPEE事務局長)
・将来の冷媒制限におけるエコデザイン(Torben Kristensen 氏:Danfoss)
・冷蔵装置部品におけるPFASポリマー・なぜ必要か(Heintz Juergensen 氏:
Bitzer)
写真5:EPEEサイドイベント
5.JRAIA ブース
CRAAとの相互PRの一環として、例年通りブース交換を行い、HVAC&R JAPAN 2026および環境と新冷媒国際シンポジウム2025の周知を実施しました。その際、HVAC&R JAPANに関する認知度アンケートも併せて実施しました。
2日間で約56社と名刺交換を行い、アンケートにもご協力いただきました。以下にその結果を報告いたします。
(1) HVAC&R JAPANを知っているかについては …14件が「Yes」と回答
(2) HVAC&R JAPANを興味があるかについては … 23件が「Yes」と回答
(3) HVAC&R JAPAN2026に出展を希望するかについては
… 12件が「Yes」と回答
(4) HVAC&R JAPAN2026に参加者として来場するかについては
… 17件が「Yes」と回答
写真6:JRAIAブース
当工業会のブースは幸い会場入口付近に位置していたため、初日から多くの来場者にお立ち寄りいただき、盛況となりました。来場者の多くは名刺代わりにWechatを使用しており、今回のアンケートを通じてHVAC&R JAPANへの関心の高さや、出展・参加を希望する企業が多数存在することが明らかとなり、有意義な成果を得ることができました。
写真7:学生からの質問等に対応
6.制冷展 会場の様子
写真8:会場内
写真9:SNIEC外観
以上