第61回技能五輪全国大会 -冷凍空調技術職種-
No.695 2024年1月
令和5年(2023)11月17日(金)~11月21日(火)の5日間(一部職種は、先行実施)、愛知県国際展示場をはじめとする13会場で第61回技能五輪全国大会が開催されました。冷凍空調技術職種は今年で18回目となり、静岡県代表選手団として出場した日立ジョンソンコントロールズ空調(株)清水事業所の遠藤尚哉さんが金賞・厚生労働大臣賞に輝きました。遠藤尚哉さんは2年連続、日立ジョンソンコントロールズ空調(株)清水事業所様は三年連続の金賞に輝きました。過去の開催はこちらから
1.はじめに
技能五輪全国大会は、23才以下の青年技能者がその技能レベルの日本一を競うことにより、ものづくりの基盤を担う技能者の育成や技能の重要性をアピールすることを目的とし、厚生労働省、中央職業能力開発協会により毎年開催されています。今大会はCovid-19 5類移行後初の開催で4大会ぶりに完全有観客で開催され、全41職種の競技に1,010名の選手が参加、うち冷凍空調技術職種は24名の選手が参加しました。
写真1:ポリテクセンター千葉外観
写真2:競技会場の様子
2.競技会場と日程
冷凍空調技術職種は、千葉県職業能力開発促進センター[ポリテクセンター千葉]で開催されました。11月14日(火)は、選手、指導者などによって工具や機材が搬入され、11月15日(水)には選手自身によるコンデンングユニットと冷却水槽の設置、競技用材料などの確認、工具展開が行われ、翌日16日(木)に競技が行われました。
写真3:競技中の風景
写真4:競技中の風景
3.冷凍空調技術職種の競技課題
冷凍空調技術職種の当初の課題は1級技能検定を念頭においたもので、配管施工技術に重点がおかれていましたが、近年の国際大会課題を意識し、コンデンシングユニット(冷凍機)を用い、文字形蒸発器の着霜及び水槽の温度制御を行うための配管施工、制御配線から冷却運転、データ測定とその処理など、冷凍空調技術の総合的な競技になっています。また、ペーパーテストと当日に設定される応用課題(制御配線)があります。競技課題の特徴としては、これまでのシステムに加え、蒸発器に付いた霜を除霜するホットガスバイパス回路を定期的に動作させる自動除霜運転動作を追加したことが挙げられます。
写真5:集合写真(選手20名および冷凍空調技術職種主査)
4.今大会の競技結果
冷凍空調技術職種での課題の全体的な出来栄えとしては、出場24選手中、16名が競技時間内に課題の冷凍サイクル、電気回路を完成させることができました。競技時間内のきれいに完成しているケースと完成するのがやっとになっているケースがあり、その完成度は二極化していると思えます。今大会の冷凍空調技術職種入賞者を表1に示します。選手の皆さんのご健闘に心から敬意を表します。
表1:第61回技能五輪全国大会 冷凍空調技術職種 入賞者
5.さいごに
愛知県国際展示場で開催された全国大会には今回も多数の選手が参加され、関係者のご協力により盛会裏に閉幕となりました。今後の開催計画は、2024年度も愛知県での開催となる予定です。
技能五輪の国際大会に関する活動状況見ると、モノづくり技術の一層のレベルアップを図り、国際社会に対する発信力やモノづくりの盛り上げに寄与していくことを狙いとし、国際大会誘致活動が継続して進められています。冷凍空調技術においても、このような取り組みに歩調を合わせた活動が求められます。
過去の開催
■第60回技能五輪(2022年11月)はこちらから
■第59回技能五輪(2021年12月)はこちらから
■第58回技能五輪(2020年11月)はこちらから
以上