FOOMA JAPAN 2023 第46回 世界最大級の食品製造総合展 参加報告(2)

印刷

No.692 2023年7月

6月6日~9日の会期で東京ビッグサイトで開催されたFOOMA2023に、広報委員会委員、事務局の数名で見学、視察を行いました。

当会会員会社、合計10社のブースを訪問し取材しましたので4回に分けてご報告いたします。こちら本号 第2部では、三菱重工冷熱、ホシザキとSARAYAのブースのご紹介を致します。FOOMA JAPAN 2023報告(第1部)はこちら


1.倉庫内の物流や建屋建設までをまとめたワンストップサービス

 三菱重工冷熱


三菱重工冷熱は、冷凍冷蔵倉庫等の、冷凍機はもちろん倉庫内の物流や建屋建設までをまとめたワンストップサービスというコンセプトで、同じ三菱重工グループの物流システム、フォークリフトを扱う三菱ロジスネクストや建設関連を扱う三菱重工交通・建設エンジニアリングと合同での出展でした。



冷凍冷蔵倉庫向けのCO2冷凍冷蔵ユニット「C-puzzle」
三菱重工冷熱の見どころは、冷凍冷蔵倉庫向けのCO2冷凍冷蔵ユニット「C-puzzle」の実機展示です。展示されていたのは新型の最大80HPクラスのもので、写真ではわかりづらいですが、高さは普通に人が手を伸ばしてもようやく上の部分に届くかどうかというくらいで、かなりの大きさでした。



三菱重工冷熱 冷凍冷蔵倉庫向けのCO2冷凍冷蔵ユニット「C-puzzle」
写真1:冷凍冷蔵倉庫向けのCO2冷凍冷蔵ユニット「C-puzzle」


こちらのユニットはその名のとおり自然冷媒の中でもCO2を冷媒(CO2=GWP1)としていて環境問題への決定版ソリューションというのが特長です。

もちろん高効率で、さらに縦方向に背の高いユニット一体型となっていますので設置面積も少なくてすみ、省スペースを実現しています。


それらの高性能を可能にする心臓部が、スクロールとロータリーの2段圧縮となっている独自開発の「スクロータリーコンプレッサ」で、ちょっとネーミングがイージーですよね、という声が聞こえてきそうですが、こちらのコンプレッサもユニットのおとなりにカットモデルが展示されていました。




三菱重工冷熱 スクロータリーコンプレッサ
写真2:スクロータリーコンプレッサ




また他にもパネル展示が多数あり、エンジニアリング力とAI予測等も活用した最適運転でさらなる省エネ化を提案するとのことでした。



2.プレハブ庫、実は隠れた実力商品!?
    ホシザキ株式会社


業務用自然冷媒冷蔵庫
本展における同社ブースのまず一番の見どころは、やはり5月に発売されたばかりの「業務用自然冷媒冷蔵庫」です。


ホシザキ電機 業務用自然冷媒冷蔵庫
写真3:業務用自然冷媒冷蔵庫



厨房機器メーカーを牽引する同社が、他社に先駆け国内初の「業務用自然冷媒冷蔵庫」を発売、本展にて紹介されました。

今回展示された「業務用自然冷媒冷蔵庫」に使用されている冷媒は、自然界にもともとある物質のなかで冷凍用や空調用として使用できるイソブタンやプロパンなどの自然冷媒です。同じノンフロンのなかでも環境への影響が少ない自然由来の物質を採用しているのが特長です。

同社は、2023年5月に自然冷媒冷蔵庫、冷凍庫68機種を発売、2024年末には自然冷媒冷凍冷蔵庫のフルラインナップ化、以降、すべての冷蔵器の自然冷媒化を進めています。

フロン排出抑制法に定められた点検が不要であり、フロン規制の対象外であることから安心して長期使用可能なこれらの冷蔵器は、導入を検討する企業、店舗にとって大きなメリットがあるはずです。


大型プレハブ庫
また、食の生産から加工・流通まで、幅広く製品ラインナップをそろえる同社の冷却・冷蔵ノウハウを活かしたプレハブ庫も見どころの一つとして紹介されました。

実は隠れた実力商品でもある同社の「プレハブ庫」は、自由度の高いプレハブ工法により、効率的な作業スペーを確保でき、またリフトなども収容可能な大型倉庫から、余分なスペースの有効活用として大型の冷蔵庫としても使える小型のものまでラインナップが豊富です。

「業務用自然冷媒冷蔵庫」と並び、本展の二枚看板として展示された「プレハブ庫」も、多くの来場者が熱心に見学していたのが印象的です。



ホシザキ電機 大型プレハブ庫
写真4:大型プレハブ庫




3.「急速凍結」と「包装資材」の組合せでチャンスロスを減らす SARAYA
「ヤシノミ洗剤」で知られ、食品衛生分野でノウハウを持つ、サラヤは新たに食に関わる事業に着手。人手不足や原価高騰など、“食”を取り巻く諸問題を抱える食品製造から飲食店などの事業者向けに、食品開発や新たな提供の形へのチャレンジに向け「急速凍結」を活用した新たな切り口のビジネスの提案を進めています。

冷凍市場はコロナ禍より年々、活発化しており、急速冷凍に対応した容器や包材なども登場しています。今回のFOOMA JAPANでは、-30℃の液体で凍結する液体急速凍結機ラピットフリーザーを活用することで、冷凍を活用した作業効率化だけでなく、新たな包材を活用した冷凍食品開発のヒントとなる提案を、実演を交えてご紹介いただきました。


FOOMA JAPAN サラヤ 
写真5:サラヤブース



サラヤ 急速液体凍結機 ラピッドフリーザ―
写真6(画面中央):急速液体凍結機 ラピッドフリーザ―


急速液体凍結機 ラピッドフリーザ―
サラヤのラピットフリーザーは、空気の20倍の熱伝導率をされる液体の特性を活用し、凍結スピードはもちろん高品質な凍結を可能にしています。

そのため、解凍後も鮮度・味・食感も変わらず復元ができるため、美味しく、手軽に食べることができる冷凍食品の製造が可能になります。


FOOMA JAPAN 2023 サラヤ
写真7:容器や包材を活用した冷凍食品事例サンプル



次号(3部、4部)では、前川製作所、ダイキン、タカギ冷機、三浦工業、日本熱源システムのブース訪問をご紹介いたします。



以上
Topへ戻る