第59回技能五輪全国大会 -冷凍空調技術競技-
No.681 2022年1月
2021年12月17日(金)~12月20日(月)の4日間、東京都江東区の東京ビッグサイト(東京国際展示場)をはじめとする14会場で第59回技能五輪全国大会が開催されました。冷凍空調技術職種は今年で17回目となり、静岡県代表選手団として出場した日立ジョンソンコントロールズ空調(株)清水事業所の山中智輝さんが金賞に輝きました。■前回 第58回技能五輪(2020年11月)はこちらから
■第57回技能五輪(2019年11月)はこちらから
■第56回技能五輪(2018年11月)はこちらから
■第55回技能五輪(2017年11月)はこちらから
1.はじめに
技能五輪全国大会は、23才以下の青年技能者がその技能レベルの日本一を競うことにより、ものづくりの基盤を担う技能者の育成や技能の重要性をアピールすることを目的とし、厚生労働省、中央職業能力開発協会と開催都道府県の共催により毎年開催されています。昨年COVID-19禍での愛知大会に続き、本年の東京都大会でも、開会式・閉会式はオンライン開催、また競技会場も無観客の大会(LIVE動画配信)となりました。大会運営も昨年のノウハウを進歩させ、会場入りする選手・関係者・競技委員等は事前のQRコード登録・入場時の新型コロナワクチン2回接種後2週間以上の経過・あるいは来場前72時間以内に受けたPCR検査が陰性であったことの確認、会場内でのマスク着用など感染防止を徹底した上で全42職種の競技に1,023人の選手がエントリーし、冷凍空調技術職種には23名の参加がありました。
写真1:選手関係者のみ見学となった会場入り口の様子
2.競技会場と日程
冷凍空調技術職種は、東京都府中市にある多摩職業能力開発センター府中校で開催されました。12月16日(木)は、選手、指導者などによって工具や機材が搬入され、12月17日(金)には選手自身によるコンデンングユニットと冷却水槽の設置、競技用材料などの確認、工具展開が行われ、翌日の18日(土)に競技が行われました。
写真2:競技会場の様子
3.冷凍空調技術職種の競技課題
冷凍空調技術職種の当初の課題は1級技能検定を念頭においたもので、配管施工技術に重点がおかれていましたが、近年の国際大会課題を意識し、コンデンシングユニット(冷凍機)を用い、文字形蒸発器の着霜及び水槽の温度制御を行うための配管施工、制御配線から冷却運転、データ測定とその処理など、冷凍空調技術の総合的な競技になっています。また、ペーパーテストと当日に設定される応用課題(制御配線)があります。今回の競技課題の特徴としては、これまでのシステムに加え、蒸発器に付いた霜を除霜するホットガスバイパス回路を定期的に動作させる自動除霜運転動作を追加したことが挙げられます。
4.今大会の競技結果
今年の冷凍空調技術競技の出来栄えですが、昨年に続き厳しい練習環境であったはずにも関わらず、出場23選手中の22名が冷凍サイクルロー付けおよび電気回路結線実技課題を完成させました。昨年はおよそ半数が未完成でしたので、選手たちの飛躍的な技能向上を目の当たりにし、驚いた次第です。厳しい練習環境下での選手、関係者のみなさま方の努力に敬意を表します。表1に冷凍空調技術競技入手者を掲載します。選手のみなさん、おめでとうございます。
表1:第59回技能競技全国大会 冷凍空調技術 入賞者
5.さいごに
東京ビッグサイトを中心に開催された今回の全国大会は、COVID-19禍にかかわらず多くの選手が参加され、中央職業能力開発協会を含めた大会スタッフの感染対策への努力の結果、盛会裏に閉幕することができました。ありがとうございました。また来年お会いしましょう。
写真3:参加選手23名集合
以上