第58回技能五輪全国大会 -冷凍空調技術競技-
No.674 2021年1月
令和2年11月13日~11月16日の4日間、愛知県国際展示場(愛知県常滑市セントレア1丁目)をはじめとする7か所の会場で第58回技能五輪全国大会が開催されました。技能五輪における冷凍空調技術競技は今回で17回目となり、JR東日本テクノロジー株式会社の近藤優樹氏が金賞に輝きました。近藤優樹氏は、次回国際大会の上海大会出場の切符を手に入れました。■前回 第57回技能五輪(2019年11月)はこちらから
■第56回技能五輪(2018年11月)はこちらから
■第55回技能五輪(2017年11月)はこちらから
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1.はじめに
技能五輪全国大会は、23才以下の青年技能者がその技能レベルの日本一を競うことにより、ものづくりの基盤を担う技能者の育成や技能の重要性をアピールすることを目的とし、厚生労働省、中央職業能力開発協会と開催都道府県の共催により毎年開催されています。今大会は、Covid-19禍の下、初めての無観客大会となったため、共催県の愛知県は共催を辞退しました。また、運用面では会場入りする選手・関係者・競技委員等は毎日の入場都度、14日前からの検温記録書面提出・当日の検温が行われ、また入場中、関係者はもちろん選手にも競技中のマスク着用を義務付けるなど、出来うるかぎりの感染拡大防止策を採った上で、全40職種の競技に944人の選手がエントリーし、冷凍空調技術職種には25名の参加がありました。(写真4)
写真1:初めての無観客大会 選手受付の様子
2.競技会場と日程
冷凍空調技術の競技は、愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)の展示ホールCで開催されました。11月12日(木)は、選手、指導者などによって工具や機材が搬入されました。11月13日(金)には選手自身によるコンデンングユニットと冷却水槽の設置、競技用材料などの配付確認、工具展開が行われ、翌日の14日(土)に競技が行われました。競技会場(展示ホールC)では、冷凍空調技術職種の他に機械組立て、フライス盤等8つの職種が同時に開催されました。
3.冷凍空調技術職種の競技課題
冷凍空調技術職種の当初の課題は1級技能検定を念頭においたもので、配管施工技術に重点がおかれていましたが、近年の国際大会の課題を意識し、コンデンシングユニット(冷凍機)を用いて、文字形蒸発器の着霜及び水槽の温度制御を行うための配管施工、制御配線から冷却運転、データ測定とその処理など、冷凍空調技術の総合的な競技になっています。また、ペーパーテストと当日に設定される応用課題(制御配線)があります。今回の競技課題の特徴としては、蒸発器に付いた霜を瞬間的に除霜するホットガスバイパス回路を取り付けたことがあげられます。(写真2、3)
写真2:競技中の溶接作業の様子
写真3:競技中の回路結線作業の様子
4.今大会の競技結果
Covid-19禍の下、例年にも増して厳しい練習環境で技能を磨いてきた選手たちでしたが競技課題の全体的な出来栄えは、競技時間内に完成しているケースとそうではないケースがほぼ半々となり、二極化した傾向が見受けられました。今大会の冷凍空調技術競技の入賞者を表1に示します。
表1 第58回技能競技全国大会 冷凍空調技術 入賞者
5.さいごに
愛知県国際展示場で開催された今回の全国大会は、Covid-19禍にかかわらず多くの選手が参加され、中央職業能力開発協会を含めた大会スタッフの感染対策への努力の結果、盛会裏に閉幕となりました。来年2021年度は東京都での開催予定です。来年、また東京大会でお会いしましょう。
写真4:参加全選手25名集合写真