第57回技能五輪全国大会 -冷凍空調技術競技-
No.667 2020年1月
令和元年11月15日~11月18日の4日間、愛知県国際展示場(愛知県常滑市)をはじめとする9ヵ所の会場で第57回技能五輪全国大会が開催されました。技能五輪における冷凍空調技術競技は今回で16回目となり、オリオン機械株式会社の宮崎大瑚氏が金賞に輝きました。■前回 第56回技能五輪(2018年11月)はこちらから
■第55回技能五輪(2017年11月)はこちらから
■技能五輪番外編はこちらから
1. はじめに
技能五輪全国大会は、23才以下の青年技能者がその技能レベルの日本一を競うことにより、ものづくりの基盤を担う技能者の育成や技能の重要性をアピールすることを目的とし、中央職業能力開発協会と開催都道府県の共催により毎年開催されています。今大会は、天皇陛下の御即位を記念する慶祝行事の一環として開催され、全42職種の競技に1,239人の選手が参加されました。その中の冷凍空調技術職種では35名の選手が参加されました。
2.競技会場と日程
冷凍空調技術の競技は、愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)の展示ホールDで開催されました。11月14日は、競技選手の指導員などの関係者によって工具や機材が搬入されました。11月15日には競技選手も加わり、コンデンングユニットと冷却水槽の設置、競技用材料などの配付確認、工具展開が行われ、翌日の16日に競技が行われました。
この競技会場(展示ホールD)では、冷凍空調技術職種の他に機械組立て、抜き型、フライス盤等6つの職種が同時に開催されました。
3.冷凍空調技術職種の競技課題
冷凍空調技術職種の当初の課題は1級能検定を念頭においたもので、配管施工技術に重点がおかれていましたが、最近は国際大会の課題を意識し、コンデンシングユニット(冷凍機)を用いて水槽の温度制御を行うための配管施工、制御配線から冷却運転、データ測定とその処理など、冷凍空調技術の総合的な競技になっています。また、ペーパーテストと当日に設定される応用課題(制御配線)があります。今回の競技課題の特徴としては、蒸発器に付いた霜を瞬間的に除霜するホットガスバイパス回路を取り付けたことがあげられます。
写真1:競技課題
4.今大会の競技結果
競技課題の全体的な出来栄えを見ると、競技時間内にきれいに完成しているケースと僅か未完成になっているケースがあり、その完成度は二極化している傾向にあります。※今大会の冷凍空調技術競技の入賞者を表1に示します。
写真2:溶接作業(競技中)
写真3:ペーパーテスト(競技中)
写真4:参加選手の記念撮影
5.さいごに
愛知県国際展示場で開催された全国大会には今回も多数の選手が参加され、関係者のご協力により盛会裏に閉幕となりました。今後の開催計画は、2020年度も愛知県での開催となり、2021年度は東京都での開催となります。
技能五輪の国際大会に関する活動状況を見ると、モノづくり技術の一層のレベルアップを図り、国際社会に対する発信力やモノづくりの盛り上げに寄与していくことを狙いとし、国際大会誘致活動が継続して進められています。冷凍空調技術においても、このような取り組みに歩調を合わせた活動が求められます。
以上
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