海外短信
No.666 2019年11月
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- 東芝 中国で住宅内装のワン・ストップ・ソリューションを提供
中国の内装会社と共同して旗艦店をオープン
中国住宅内装産業サプライ&デマンドチェーン連盟の第一回会合が8月20日深圳で開催された。中国ビル内装協議会の住宅内装製品産業支部が主催したもの。東芝中国がこの会合に招待された。
東芝は空調、床暖房、換気、および給湯など住宅における快適さへの要望に取り組んでおり、ワン・ストップ・ソリューションを提供している。これは住宅の内装会社が提唱しているトータル・ホーム・デコレーションのトレンドとも一致している。東芝は中国の住宅内装会社と共同で住宅用セントラルエアコンを特徴とした旗艦店をオープンした。顧客はデザインから基本となる内装、家電製品の購入まで一括して便益を享受することができる。
東芝の、顧客の要望に柔軟に対応するサービスは、さまざまな室内機の選択、床暖房の追加、省スペース室外機、Wi-Fiサーバー・スマート・オペレーティング・システムによるスマート・ホーム・マネージメントなど顧客独自のシステム構築を可能としている。
2019年6月西安にオープンした東芝の旗艦店
〔JARN, September 25, 2019〕
2. 三菱重工 中国で送電エネルギー会社と共同企業体を設立
省エネルギー投資プロジェクトに対する技術コンサルティングを実施
三菱重工サーマル・システムズは2019年9月4日、中国で最大の送配電企業である中国国家送電企業(SGCC)の子会社である国家送電エネルギー保守サービス(SGECS)と共同企業体(JV)を設立した。中国における省エネルギー投資プロジェクトに対して、技術コンサルティング・サービスを提供する。新しいJVの名称はMHIASエネルギー・ソリューション・サービス(北京)。MHIの現地子会社である三菱重工エアコンディショナー(上海)(MHIAS)を通じて北京に設立された。
MHIASは中国全土でターボ冷凍機、空調機、ヒートポンプ温水機のマーケティングとサービスを管轄している。新たなJV契約のもとで、MHIASは中国における省エネルギープロジェクトを推進するために、世界の地域冷暖房で培った豊富な技術ノウハウを提供する。
エネルギー・ソリューションに関する技術コンサルティング・サービス条項により、新JVは省エネルギープロジェクトの促進、省エネルギー、および環境保護に貢献することになっている。
〔JARN, September 25, 2019〕
3. 三菱電機 英国リバプールのM&S銀行アリーナにモジュラーチラー46台を納入
従来のチラーよりも35%の省スペースが評価される
英国リバプールのM&S銀行アリーナは最大で11,000人の観客を収容する。この空調を三菱電機の高効率モジュラーチラー e-シリーズ46台が行っている。
以前のチラーはアリーナの駐車場に設置されていたが、2017年12月の火災によりアリーナ駐車場は壊滅した。そのため新たなチラーはアリーナ周辺の限られたスペースに設置しなければならなかった。
解決策として冷房専用の90kW e-シリーズモジュラーチラーが採用された。最終設計では4つの屋根のデッキそれぞれに11台のユニットが設置され、トラックヤードの構台上に2台のユニットが追加された。90kWから1,080kWを容量範囲とし、従来のチラーよりも35%省スペースとなっている。
英国リバプールのM&S銀行アリーナ
〔JARN, September 25, 2019〕
4. ジョンソンコントロールズ日立空調
インドでバリスタと提携してキャンペーンを実施
若い世代への浸透を図る
ジョンソンコントロールズ日立空調・インドのグルミート・シン会長執行役員は7月23日、コーヒーをいれるバリスタとのジョイント・ブランド・キャンペーンを発表し、この中で「インドは2020年までに世界で最も若い国になっているであろう。2000年代初めに生まれたミレニアル世代の影響を強く受けて、新しいニーズ、トレンド、および市場行動が出現するであろう」と述べた。
裕福なミレニアル世代が最も支出をする時期を迎えるに当たり、同社は最も好まれるエアコンブランドとなることを目指して努力している。同社はバリスタと提携してこのキャンペーンを打ち出した。若い消費者の注意を引くために、バリスタは夏の特別な飲み物として日立アルフォンソ・スムージーを発売している。バリスタはインドでのコーヒー文化のパイオニアであり、バリスタのコーヒーチェーンはイタリアコーヒーの味わいを提供している。
〔JARN, September 25, 2019〕
5. 英国の環境調査機関が2022年新規HFC業務用冷凍機器の禁止の前倒しを要求
キャンペーン・グループである英国の環境調査機関(EIA)が、英国政府に対して、HFCの使用を抑制するためにさらに厳格なアプローチをとることを要求している。ネット・ゼロ・カーボンに向けた対応の一環としている。EIAは、政府の約束であるネット・ゼロ・カーボン達成のために、現在のF-ガス規制の強化を求めており、HFCを使用した新規の業務用冷凍機器の2022年からの禁止の前倒しを要求している。
EIAの気候キャンペーンのリーダーであるクレア・ペリー氏は「F-ガス規制そのものを改正するのは次の見直し時期である2022年まで現実的には考えられない。したがってほかの対策が必要だ。次のF-ガス規制の見直しに先立って、ヒートポンプに対してHFCの使用を禁止することは可能性がある」と述べた。
一部のヒートポンプを禁止する考えは、昨年議会の環境監査委員会でも取り上げられた。HFC機器を禁止する提案を引き続き政府にしていくとEIAは述べている。
〔RAC August 2019〕
6. ハネウェル 不燃性冷媒HFO R466A開発のために中国三花控股集団と協業
ハネウェルは中国の制御機器と部品のメーカーである三花控股集団(Sanhua)と不燃性冷媒HFO R466Aの商業化のために協業すると発表した。商品名称はソルスティスN41であり、定置用空調システムに使用されているR410Aを代替する低GWP冷媒として開発されている。ハネウェルの定置用冷媒の副社長でゼネラル・マネジャーであるクリス・ラピエトラ氏は「我々は産業界の課題を解決し、規制を遵守するためにソルスティスN41を特別に開発した。今年遅く販売の準備が完了したら、これは革命的な解決策となる。三花との協業は、安全で、効率がよく、環境に対して持続性のある代替冷媒を販売するという我々の約束を再確認するものだ」と述べた。
三花控股集団の副社長で首席科学者である黄寧傑氏は「我々はR466Aを空調用の冷媒として使用するため、主要部品での適性試験で大きな進捗又は進展を遂げた。評価は年内に完了するものと考えている」と語った。
〔RAC September 2019〕
7. 欧州冷房団体が不法冷媒の見分け方についてリーフレットを発行
不法冷媒を簡単に見分ける方法が欧州の冷房団体の集まりから発表された。欧州冷凍空調協議会(AREA)、欧州冷凍部品製造者協会(ASERCOM)、欧州フルオロカーボン技術委員会(EFCTC)、および欧州エネルギー・環境パートナーシップ(EPEE)は、ユーザーが安全で適法な冷媒を特定し、闇市場からの製品と区別するのに役立つリーフレットを出版した。
ガイダンスでは4つのキーになる方法を勧めている。冷媒を評判のいい販売店から購入すること。使い捨てボンベでの冷媒は購入しないこと。使い捨てボンベの使用は現在欧州では違法である。冷媒の価格が予想よりあまりにも安いときは用心すること。オンラインでの冷媒の購入はしないようにすること。オンラインでの購入は法律遵守や書類作業などを確認することが難しい。冷媒の供給について法律に違反している疑いを抱いた人は、匿名で‘EFCTC Action Line’サービスへの通報を要請している。
リーフレット「Protect your business Buy refrigerants from safe sources」
〔RAC, August 2019〕
8. AHRIとUNEP 冷媒取扱いライセンスの訓練を開始
発展途上国での代替冷媒採用を支援
発展途上国が代替冷媒を採用するのをサポートするため、米国冷凍空調工業会(AHRI)と国連環境計画(UNEP)とのジョイント・グローバル計画が開始された。冷媒取扱いライセンス(RDL)計画における訓練について、初めての会合がルワンダのキガリで6月に開催された。モントリオール議定書のもとで要求されているHFC製品の段階的削減の準備として、専門的な技術者を養成する。
RDLは冷房における冷媒の取扱いについて、ベストプラクティスを身に着けさせることを目的としている。キガリで開催された第一回のイベント指導員研修は冷媒管理の専門家を養成して資格を与える。この指導員はその後地元の人々のスキルを向上させてベストプラクティスを身に着けさせる。これらの地元の指導員は冷媒を正しく安全に取り扱うことのできる専門家として、第一回目はおおよそ100人の技能者を養成する。
グレナダ、トリニダード・トバゴ、モルディブ、スリランカ、およびスリナムで数か月後に同様のプログラムを実施する。パイロットプロジェクトの評価によってAHRIとUNEPは世界での将来のRDL計画を決める。これらはtiny.cc/knu49yで見ることができる。
〔RAC August 2019〕
9. イタリアの冷凍機器産業 欧州域内への輸出で好調を持続する見込み
イタリアの全国機械連盟(ANIMA)および業務用冷凍機器、冷凍用圧縮機、産業用冷凍システムの製造業者の団体である冷凍機器工業会(ASSOCOLD)によると、2018年イタリアの冷凍産業は好調を維持した。ここ数年イタリアの冷凍機器メーカーは輸出で好業績をあげている。輸出額は6億ユーロ(約725億円)に達しており、年間総生産額における構成比は55~60%となっている。輸出先としては欧州市場が約70%。フランスがトップの7500万ユーロ(約90億6千万円)でこれにドイツ、英国、スペインと続いている。欧州以外ではサウジアラビア、アラブ首長国連邦が9位、10位となっている。
業務用冷凍機器の2018年の生産は4.2%増加し、輸出も4.3%の増加となった。2019年の生産も4.3%の増加、輸出も3.3%の増加が見込まれている。これに伴い2018年の投資額は5.1%の増加であり、2019年も1.4%の増加が見込まれている。
ASSOCOLDによるとイタリアの冷凍産業は増加傾向にあり、約5000人を雇用し、年間の事業規模は10億5千万ユーロ(約1270億円)となっている。
〔JARN, September 25, 2019〕
10. 中国 2019年上期のルームエアコンの国内販売 前年同期比で1.4%の減少
中国のオール・ヴュー・クラウド(AVC)のデータによると、2019年上期中国国内でのルームエアコンの販売店での売上高は、1137億元(約1兆7490億円)であり、前年同期比で1.4%の減少となった。6月と7月に例年より涼しい日があったためで、これが販売にも影響を及ぼした。在庫はほぼ5千万台にまで増加した。2019年7月までの2019冷凍年度ではルームエアコンの出荷は前年比で10%減少している。5千万台の在庫を消化するために主要ブランドはルームエアコンの平均売価を2.2%下げた。これにより平均的な利益も減少する見込みとなっている。
〔JARN, September 25, 2019〕
11. リサーチ&マーケットがインドの空調機の市場調査レポートを発行
2024年までに年率7%で成長 59億ドルの市場規模となる見込み
アイルランドの世界的な市場調査会社リサーチ&マーケットがインドの空調機の市場調査レポートを発行した。空調機器のタイプ、エンドユーザー、地域市場規模、シェア、開発などについて2018-2019年の実績と2019-2024年の予測を掲載している。
レポートによるとインドの暖房、換気、および空調機市場は2024年までに59億ドル(約6400億円)にまで成長し、この間年率7%での成長を遂げる。市場を押し上げる主な要因は、高層ビル、中規模都市(ティア-Ⅱ)でのハイパーマーケット、複合商業施設やモールなどの数が増えることであり、ここでは空調システムが欠かせないものとなっている。またインドにおけるスマート・シティ・プロジェクトが進展することも増加の要因となっている。
VRFシステム分野はヒートリカバリーとヒートポンプシステムに大別される。ヒートリカバリー・システムの成長は速く、これはヒートポンプと比較して、エネルギー消費が少なく、効率的な熱管理が可能であることによっている。ヒートリカバリー・システムの優れたところが理解されると市場での採用が促進されてくる。
リサーチ&マーケットによるインドの市場調査レポート
〔JARN, September 25, 2019〕
12. インド 食品販売でフレッシュ&チルド製品が伸びる
インドの食品産業で大きな変化が生じている。インドは菜食主義者の国という名声が高かったが、いまやインド人の大多数が非菜食主義者に変わろうとしている。インドのレジスター・ジェネラル&センサス・コミッショナーの調査によると、15歳以上の71%が非菜食主義者となっている。インドは年間約300億ドル(約3兆2600億円)の肉を消費している。
この急成長を遂げている市場では、ソーセージや冷蔵品などすぐ食べられるフレッシュ&チルド品が伸びている。小売店でも冷凍製品の販売が減少するという変化が起きている。小売店では冷凍機器よりもチラーに多く投資している。
小売店での冷蔵品とインターネット販売がインド市場では成長しているが、本格的な販売促進は未だなされていない。肉の市場は2022年までに650億ドル(約7兆600億円)に達するものと期待されている。これは非菜食主義者の増加を反映している。このように成長が予測されるために多くの製造業者が市場参入を図ろうとしている。
〔JARN, September 25, 2019〕
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