「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」に当会から2件登録されました!
No.665 2019年10月
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令和元年度(2019年度)「重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)」登録授与式が行われました。今回で12回目となる本授与式は、平成20年より開催され、今回は26件登録、累計285件となりました。
今回は初のエアコン関連製品として、当会会員メーカーから2件、東芝キヤリア殿のインバータ駆動エアコン(RAS-225PKHV)、日立ジョンソンコントロールズ空調殿のPAM制御インバータエアコン(RAS-501HX2)が登録となりました。
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写真1:国立科学博物館外観
1.東芝キヤリア殿のインバータ駆動エアコン(RAS-225PKHV) 選定理由
世界初のインバータを搭載した家庭用エアコンである。消費電力が大きい ことが大きな欠点とされていた当時のエアコンに、コンプレッサを駆動す るモータの回転数をインバータで細かく効率的に制御することにより、低 消費電力での運転を実現した。室内機のコントロールや、室外機との通信 方法などにも現在につながる様々な新しい工夫が施されていた。ここでの インバータの小型化・軽量化等の技術の開発はその後の多くの家電製品で の応用につながった。日本の東西の電源周波数の境目に当たる地域で、電 源周波数に依存しない製品を実現できるインバータを家電製品に組み込む ための技術開発が行われたことは画期的な出来事であった。本機はその技 術開発の歩みを示す証として重要である。
写真2:受賞した東芝キヤリア
インバータ駆動エアコン(パネル)
2.日立ジョンソンコントロールズ空調殿のPAM制御
インバータエアコン(RAS-501HX2) 選定理由
世界で初めて製品化されたパルス電圧振幅波形(PAM)制御方式インバータ 家庭用エアコンである。従来のインバータでは一定だった圧縮機モータ駆 動電圧の高低の幅を拡大させて圧縮機回転数をより広い範囲で制御できる ようになった。また、入力電流波形を正弦波状に制御することにより最高 力率を99%に高めることができた。これらの技術により、省エネ性と高い 暖房能力を実現し、従来のインバータ方式では能力不足とされていた寒冷 地でも暖房機器として認知され、ヒートポンプ式暖房の普及にも貢献し た。PAM制御インバータは冷蔵庫など他の家電にも適用され省エネ性や効 率などを大きく改善したものとして重要である。
写真3:受賞した日立ジョンソンコントロールズ空調
PAM制御インバータエアコン(パネル)
写真4:PAM制御インバータエアコン(展示)
3.未来技術遺産 登録パネル展
昨年に引き続き昭和の高度成長期を支えた精鋭たちを一度にご覧いただけます。カメラは逆にオシャレに見え、あぁCDプレーヤーは今どこに行ったかなと思い出に浸ることができました。
写真5:その他パネル展示
未来技術遺産登録パネル展は、上野 国立博物館にて9月10(火)~23(月)の間で開催されておりました。今年お見逃しの方は、是非来年ご参加ください。
以上
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