第56回技能五輪全国大会
-冷凍空調技術競技-
No.661 2019年2月
2018年11月2日~11月5日の4日間、沖縄県の那覇市をはじめとする6都市14か所の会場で第56回技能五輪全国大会が開催されました。今大会は、2019年8月にロシア連邦のカザンで開催される技能五輪国際大会の派遣選手選考会を兼ねています。
■第57回技能五輪(2019年11月)はこちらから
■前回 第55回技能五輪(2017年11月)はこちらから
■技能五輪番外編はこちらから
1. はじめに
技能五輪全国大会は、23才以下の青年技能者がその技能レベルの日本一を競うことにより、ものづくりの基盤を担う技能者の育成や技能の重要性をアピールすることを目的とし、中央職業能力開発協会と開催都道府県の共催により毎年開催されています。
今年度は、沖縄県で開催されました。本大会では、全42職種1,292名の選手が参加され、その中の冷凍空調技術職種では28名の選手が参加されました。
2.冷凍空調技術職種の競技課題
冷凍空調技術職種の当初の課題は1級能検定を念頭においたもので、配管施工技術に重点がおかれていましたが、最近は国際大会の課題を意識し、コンデンシングユニット(冷凍機)を用いて水槽の温度制御を行うための配管施工、制御配線から冷却運転、データ測定とその処理など、冷凍空調技術の総合的な競技になっています。また、ペーパーテストと当日に設定される応用課題(制御配線)があります。
写真1: 配管・制御配線完成後のペーパーテスト
3.競技会場と日程
冷凍空調技術の競技は、沖縄市立総合運動場の体育館(グリーンフィールド:室内野球練習場)で開催されました。11月2日は、コンデンングユニットと冷却水槽の設置、競技用材料などの配付確認、工具展開が行われ、翌日の3日に競技が行われました。
この競技会場では、冷凍空調技術職種の他に配管職種、曲げ板金職種、自動車工職種が同時に開催されました。賑やかな雰囲気のなかでの競技であると同時に体育館内の温湿度が幾分高いことも手伝い、汗だく状態で作業に集中している選手も見受けられました。
4.今大会の競技結果
今大会の冷凍空調技術競技の入賞者を表1に示します。オリオン機械株式会社の北澤未鈴選手が金賞に輝きました。技能五輪における冷凍空調技術競技は15回目となりますが、女性選手の金賞受賞は今回が初めてです。
競技課題の全体的な出来栄えを見ると、競技時間内にきれいに完成しているケースと僅かに未完成になっているケースがあり、その完成度は二極化している傾向にあると言えます。
5.さいごに
沖縄県で開催された今大会も多数の選手が参加され、関係者のご協力により盛会裏に閉幕となりました。今後の開催計画について見ると、2019年度は愛知県での開催、2020年度についても愛知県での開催が検討されています。加えて、2023年度の国際大会誘致活動(愛知県)も進められています。今後は、冷凍空調技術においても国際大会に向けた取組がこれまで以上に求められます。
表1: 第56回技能五輪全国大会「冷凍空調技術」入賞者
以上
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