RTOC委員会に当工業会が参画
No.654 2017年12月
日本ではあまりなじみがないかもしれないが、我々冷凍空調分野においては重要なグローバルでの議論の場が、RTOC委員会(Refrigeration Technical Option Committee;“アールトック”)として位置付けられている。(写真1)
写真1:RTOC委員会会議の様子
初めに組織の位置付けについて記載したいと思う。
RTOC委員会は、そもそもは国連環境計画(UNEP) の下部組織である。
国連環境計画(以下UNEP)は、国際連合(UN)の一機関として環境に関する諸活動の総合的な調整を行なうとともに、新たな問題に対しての国際的協力を推進することを目的としている。モントリオール議定書の事務局も務めており、それ以外でもワシントン条約、バーゼル条約等の条約の管理も行っている。
UNEPは、下部組織として、以下の3つの評価機関(Assessment Panel)を有している。
UNEP傘下のAssessment Panel
1) EEAP(Environmental Effects Panel)
オゾン層破壊に関する様々な影響因子の分析評価が基本ミッション。
2) SAP(Scientific Assessment Panel)
オゾン層破壊の状況観察や関連する待機状態等の評価が基本ミッション。
3) TEAP(Technology and Economic Assessment Panel)
オゾン層破壊物質の使用を実質的に排除するために、採用された代替技術に関する技術情報等の評価が基本ミッション。
※RTOC委員会は3番目のTEAP傘下にある。TEAPは、傘下に以下の5つのTOC(Technical Option Committee)を有している。
1) EEAP(Environmental Effects Panel)
オゾン層破壊に関する様々な影響因子の分析評価が基本ミッション。
2) SAP(Scientific Assessment Panel)
オゾン層破壊の状況観察や関連する待機状態等の評価が基本ミッション。
3) TEAP(Technology and Economic Assessment Panel)
オゾン層破壊物質の使用を実質的に排除するために、採用された代替技術に関する技術情報等の評価が基本ミッション。
※RTOC委員会は3番目のTEAP傘下にある。TEAPは、傘下に以下の5つのTOC(Technical Option Committee)を有している。
TEAP傘下のTechnical Options Committee
1) Foams TOC(発泡に関する委員会)
2) Halons TOC(消火剤(ハロン使用)に関する委員会)
3) Medical & Chemicals TOC(医化学系に関する委員会)
4) Methyl Bromide TOC(メチルブロマイドに関する委員会)
5) Refrigeration TOC(冷凍に関する委員会)
※ここで説明するRTOC委員会はこの5番目の委員会である。
1) Foams TOC(発泡に関する委員会)
2) Halons TOC(消火剤(ハロン使用)に関する委員会)
3) Medical & Chemicals TOC(医化学系に関する委員会)
4) Methyl Bromide TOC(メチルブロマイドに関する委員会)
5) Refrigeration TOC(冷凍に関する委員会)
※ここで説明するRTOC委員会はこの5番目の委員会である。
RTOC委員会の正式名称には、「冷凍」しか含まれていないが、実際には、冷媒や空調機器に関するいわゆる冷凍空調全般にわたる内容が網羅されている。
既述の3つのAssessment Panelは4年に1度、Assessment Reportをまとめ、UNEPや関連する会合の中で、内容が紹介されている。ちなみに最新版は2014年版で、現在、次の2018年版の作成がかなり終盤に差し掛かっている時期になっている。
各レポートは全体で200~300ページにも及ぶ”大作”になるので、読みごたえのあるものであるが、UNEP全体会合等に参加する各国政府の政策担当官たちが、これをもとに各国の政策立案の参考にするので、大変重要なレポートと言える。
RTOC委員会は、各国政府から承認されたメンバーが招集されており、総勢で約40名もの研究者、専門家から成っている。内容的には以下のような章立てになっており、約40名の専門家は、各章4~5名のグループに分かれて議論検討を行っている。
RTOC Assessment Reportの章構成(2014年版)
第11章はややわかりにくい名称であるが、持続性のある機器システムを目指すため、特にエネルギー効率、再生エネルギー利用、温室効果ガス削減のための選択肢として自然資源などの利用に関する内容(冷媒も含め)を扱っている。
これらの章立ては、発行年(あるいは直近)の状況に合わせての見直しが都度行われる。
ちなみに、2018年度版では、安全性基準やエネルギー効率のパートを新たに設けたり、高外気温度帯に特化した章立てを追加するなどの案が出ている(現時点ではまだ最終決定ではない)。
第11章はややわかりにくい名称であるが、持続性のある機器システムを目指すため、特にエネルギー効率、再生エネルギー利用、温室効果ガス削減のための選択肢として自然資源などの利用に関する内容(冷媒も含め)を扱っている。
これらの章立ては、発行年(あるいは直近)の状況に合わせての見直しが都度行われる。
ちなみに、2018年度版では、安全性基準やエネルギー効率のパートを新たに設けたり、高外気温度帯に特化した章立てを追加するなどの案が出ている(現時点ではまだ最終決定ではない)。
現在、日本からのメンバーは、東芝キヤリア社の山口氏、当工業会の岡田が参画している。
写真2:RTOC委員会メンバー
以上
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