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No.649 2017年2月
米キヤリア インディアナポリス工場の雇用維持でトランプ次期大統領(当時)と合意
工場のメキシコ移転は断念
米キヤリアとドナルド・トランプ次期大統領(当時)は2016年12月1日、“1,100人の雇用をインディアナポリス工場で維持することで合意した”と発表した。キヤリアは工場に1,600万ドル(約17億9千万円)投資する見返りに10年間で700万ドル(約7億8千万円)の税制優遇を受ける。
「ユナイテッド・テクノロジーのグレッグ・ヘイズCEOはすぐ対応してくれた。感謝している。最初の判断の時に協議できればよかった」とトランプ氏は語った。
トランプ次期大統領(当時)
「キヤリアの作業者には感謝している。インディアナポリスでの難しい1年をよく乗り切ってくれた」とヘイズCEOは述べた。「税制改革と規制へのよく考えた対応により米国で製造業を続けていく目途を付けることができた。この工場をガスファーネスの最新鋭生産拠点と位置づけ、今後2年間に1,600万ドル(約17億9千万円)以上の投資を行う」とヘイズCEOは述べた。トランプ氏も投資金額には即座に反応し、1,600万ドルは底であって天井ではないとコメントした。
他の重要な部分はトランプ氏が不必要な規制の撤廃をキヤリアに約束したことだ。ここ数年冷凍空調業界では多くの人が規制の数が多く、米国での事業運営を難しくしていると不満を述べている。「過去6年間で新たな連邦政府による規制が260件施行された。信じがたいほど高いものについている」とトランプ氏は述べた。
雇用は大統領選からの課題
2016年2月、キヤリア・コーポレーションはインディアナポリスでの製造をメキシコ モンテレーの既存のキヤリアの製造工場の近くに移転すると発表した。3年ほどかけて移転し、これにより1,400人ほどの米国の作業者が影響をうけることになると予測された。
当時、キヤリアの北米HVACシステム・サービスのクリス・ネルソン社長は「この移転は急激に変化していく冷凍空調産業に対応したものだ。我々のサプライヤーも含めて、操業をメキシコへ移転する。これはある部分では新たな規制要求に端を発したものだ。インフラが既に存在し強い供給網がある地域へ生産を移転することは、コストダウンにつながり、高い品質の空調機を生産することができる」と述べた。
大統領選の期間中、トランプ氏は製造業における雇用維持を課題の中心に掲げ、多くの討論やスピーチでキヤリアの移転を取り上げた。選挙期間中、トランプ氏はメキシコで生産されたキヤリアの製品には35%の関税をかけると脅していた。
キヤリアがインディアナポリスでの操業を維持すると決定すると、彼のトーンは変化し、キヤリアを称賛するようになった。「私は我々の国の中で生産をすることにした彼らの善意を称賛する。彼らはとても早く対応した。多くの人がキヤリアの製品を購入するであろう」とトランプ氏は述べた。
長かった交渉経過
2016年11月24日、感謝祭の日にトランプ氏は交渉の進捗を得た。同じ日にキヤリアは次期政権と協議中であることを発表した。変化があったのは11月29日になってからであり、キヤリアは「トランプ次期大統領(当時)とペンス次期副大統領(当時)とインディアナポリスで1,000人に近い雇用を維持することで合意した」とツイートした。
「インディアナ州から提供された優遇策は重要な考慮事項であった。この合意は自由貿易についての信念を損なうものではなく、グローバル化は米国の長期的な競争力の強化を要求している」とキヤリアの代表は述べた。
記者会見でトランプ氏は法人税の税率を35%から15%に下げることについて言及し「企業が米国から出ていくことはもはやないであろう」と述べた。
ペンス氏も交渉で重要な役を演じた。ペンス氏は当時インディアナ州の知事であり、過去10か月間にキヤリアがどのように対応したかを直接見てきた。「2月10日、キヤリアが工場を閉鎖し、操業をメキシコに移すという決定を聞いた時は本当に心が痛んだ」と述べている。「これまでの連邦政府の方針ではこの国から雇用が出ていく。米国の人々は変化を求め投票したのだ。執務室に入る前からトランプ次期大統領はリーダーシップを発揮している。トランプ次期大統領は米国のための範例を示したのであり、選ばれたキヤリアは米国国民のために明るい将来を約束した。我々は非常に満足している」と述べた。
〔出典Air Conditioning, Heating and Refrigeration News December 12,2016〕
以上
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