環境と新冷媒 国際シンポジウム 2016【1日目】
No.649 2017年2月
~ 冷凍空調機器の環境・新冷媒・省エネに対応し21世紀をリードする最新テクノロジー ~
※新年特別号の基調講演に引き続き、国際シンポジウムの様子を掲載。
※本文内のWGおよびSWGは当工業会内のものである。
テクニカルセッション1:環境
テクニカルセッション1では5件のプレゼンテーションが行われた。
最初に登壇したDr. Stephen O. Andersen(Institute for Governance & Sustainable Development (IGSD))は、2008年神戸シンポで基調講演をしていただいた以来の参加となった。今回は、Suely Carvalho氏(Instituto de Pesquisas Energéticas e Nucleares (IPEN))と一緒に高効率ルームエアコンでの日本のリーダーシップの重要性について講演を行った。(写真1)また、ICARHMAメンバーであるKarim Amrane氏(AHRI)及びAndrea Voigt氏(EPEE)が登壇し、米国での今後の低GWP冷媒の取り組みや、欧州での規制動向に関する話が行われた。
中国からは、Zhang Mingsheng氏、Ma Jinping氏(Heifa General Machinery Research Institute)より中国での安全基準化の動向に関する話があった。このセッションの最後は、アセアン諸国の省エネ施策における性能評価法への新国際規格の採用動向に関する話を、当工業会国際部の海原誠氏から行った。
写真1:Dr.AndersenとCarvalho氏
テクニカルセッション2:圧縮機・潤滑油
河村雷人氏(三菱電機)、吉田裕文氏(パナソニック)、山口健太郎氏(JXエネルギー)、斉藤玲氏(日本サン石油)、中島聡氏(出光興産)及びJoseph Karnaz氏(Shreve chemical products)から各社での最新の研究状況に関する講演が行われた。
テクニカルセッション3:微燃性冷媒の安全性(1)
産官学で微燃性(A2L)冷媒の安全性に関して議論してきた微燃性冷媒リスク評価研究会(公益社団法人日本冷凍空調学会に設置)の中から、東京大学・諏訪東京理科大学・独立行政法人産業技術総合研究所(AIST)での研究状況報告が行われた。この研究会の主査を務める飛原英治氏(東京大学)から、5年かけて議論してきた研究会での検討の成果報告が行われた。(写真2)
続いて、滝澤賢二氏(AIST)から燃焼特性、佐分利禎氏(AIST)からは燃焼爆発危険性評価及び今村友彦氏(諏訪東京理科大学)からビルマルチから急速漏えいした場合のフィジカルハザード評価に関する話が行われた。
写真2:飛原英治氏(東京大学)
テクニカルセッション4:微燃性冷媒の安全性(2)
始めに、冷媒関連国際規格提案検討WG 片岡修身主査(ダイキン工業)より、IEC・ISOでの微燃性冷媒(A2L)の動向についての状況が報告された。
続いて、高圧ガス保安法の規制緩和の内容、対応する日冷工のガイドライン及び規格の体系及び日冷工ガイドラインJRA GL-20について、規制改革対応WG 山下浩司委員(三菱電機)より説明が行われた。
3番目の講演は、当工業会で規格化した冷媒漏えい検知器警報器の規定内容について、検知警報仕様検討WG 山下浩司主査(三菱電機)より説明が行われた。
4~6番目の講演は、微燃性冷媒(A2L)を使用した製品の安全規格及びガイドラインの概要について、低温機器は低温機器安全基準検討WG 石井裕主査(サンデン・アドバンステクノロジ―)、設備用エアコンは設備用リスクアセスメントSWG内藤靖浩主査(日立ジョンソンコントロールズ空調)、業務用エアコンは業務用エアコン安全対策基準検討WG石井郁司主査(ダイキン工業)よりそれぞれ説明が行われた。(写真3)
写真3:微燃性冷媒の安全性(2)講演者
レセプション
19時15分より、神戸ポートピアホテル偕楽の間にてレセプションを開催した。
坪久田会長(写真4)及びDr.Andersenから挨拶が行われ、岡田専務理事より乾杯の発声を行いレセプションがスタートした。参加者は、リラックスした雰囲気で懇親を深めた。(写真5、6)
写真4:坪久田会長
写真5:レセプション歓談風景
写真6:レセプション歓談風景
※テクニカルセッション2日目の様子はこちらから
※ポスターセッションの様子はこちらから
以上
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