教えて!エアコンくん(仮)第1回 「冷凍空調って何?」

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No.0 2023年9月

暑いときは涼しく、寒いときは暖かく過ごす、さまざまなものを最適な温度で保存する、輸送する、などなど人々が毎日、より心地よく快適に生活するための冷凍空調設備は、今や、私たちの日常生活に不可欠です。しかしながら、冷凍空調がどのような仕組みで動いているか、また、それが一方ではどのような課題を生んでいるのかなど、わからないことがたくさんありますよね。

本WEBマガジンでは、今号より連載、冷凍空調の仕組み、業界が抱える課題など、冷凍空調の世界をエアコンくんがわかりやすく解説します!


第1回 冷凍空調って何?

 

Q.冷凍空調っていったい何ですか?



冷凍空調(れいとうくうちょう)は、暖かい場所を涼しくしたり、寒い場所を温かくしたりするための機械やシステムのことです。もっとわかりやすく説明すると、家や学校、オフィス、車など、私たちが過ごす場所を快適に保つための仕組みです。



冷凍空調のしくみは、冷たい空気から暖房(温かくする)する場合と、熱い空気から冷房(涼しくする)する場合があります。暖房の場合は、外から取ってきた寒い空気の中に熱を加えて、中の空気を温かくします。冷房の場合は、外から取ってきた熱い空気から熱を取り出し、中の空気を涼しくします。



この仕組みを使って、私たちは一年中快適に過ごすことができます。夏には涼しく、冬には温かく調整できるので、寒い冬や暑い夏でも気持ちよく過ごすことができるんですよ。冷凍空調は私たちの生活を快適にしてくれる大切な仕組みなんですね。


Q.暖房の場合、冷気に熱を加えて中を暖かくするというのはどういう意味ですか。

 もっとわかりやすく教えてください!



もちろん、もっとわかりやすく説明しますね。

暖房の場合、冷たい空気を使って中を温かくするイメージは、お湯を使ってお風呂のお湯を温かくすることに例えることができます。冷たい水道水をお風呂に入れると、最初は冷たいですよね?でも、お湯を加えて温めると、お風呂の中の水が徐々に温かくなります。冷たい空気を取り入れて、それに熱を加えることで、部屋の中を暖かくするのです。

暖房は、冷たい空気に熱を加えることで部屋を暖かくするイメージです。だから、冬の寒い日に家の中が暖かいのは、冷凍空調の仕組みが部屋の中の空気に熱を供給してくれているからなんです。冬にはこの仕組みが大活躍して、寒さから身を守ってくれます。


Q.冷房の場合、熱い空気から熱を取り出し中の空気を涼しくする、とあるけれど、

 これはどういう意味ですか?



冷房の場合、熱い空気から熱を取り出し部屋の中の空気を涼しくすることは、氷や冷たい水を使って飲み物を冷やすことと似ています。具体的には、冷房機やエアコンは外から取り入れた熱い空気を使います。この熱い空気に特別な仕組みを使って熱を奪い、それから出てくる空気は涼しくなります。

例えば、アイスクリームを作るときに、アイスクリームを固くするために冷たいアイスクリームの材料をかき混ぜると、材料から熱が奪われてアイスクリームができます。同じように、冷房機やエアコンは外から取り入れた熱い空気から熱を奪って、中の空気を涼しくするのです。

その結果、涼しい空気が部屋に送り込まれ、私たちは暑い日にも快適に過ごすことができます。つまり、冷房の場合は、熱い空気から熱を取り出して中の空気を涼しくし、部屋を快適にするのです。


Q.特別な仕組みを使って熱を奪うとは、どういう意味ですか?



説明が不明確でした。特別な仕組みを使って熱を奪うという表現が分かりにくかったたですね。もっと具体的に説明します。

冷房の場合、特別な液体やガスを使って熱を移動させる仕組みが使われます。この液体やガスは「冷媒(れいばい)」と呼ばれ、特別な性質を持っています。冷媒は低温で沸騰しやすく、熱を吸収すると気化(ガスに変わる)し、熱を放出すると液体に戻ります。

冷房機やエアコンの内部で、冷媒は外から取り入れた熱い空気と接触します。このとき、冷媒が熱い空気から熱を吸収し、熱い空気を冷却します。そして、冷却された空気が部屋に送り出され、部屋が涼しくなります。冷媒は熱を奪って、それを排出することで、部屋の中を冷やすのです。

このように、冷媒を使って熱を移動させることで、冷房装置は部屋を涼しくするのです。冷媒の性質により、効率的に熱を奪って涼しさを提供できる仕組みがあります。


●機械式冷凍機の仕組み(冷凍サイクルの概念)

機械式冷凍機では、この図で示す通り、密閉された容器内を、冷媒と呼ばれる化学物質が状態変化をしながら、熱を吸収したり、放出したりして循環しています。

冷媒は蒸発器に液体として供給され、そこで熱を吸収して蒸気になります。圧縮機によって加圧された蒸気は、再生部である凝縮器で冷却され、熱を放出して元の液体に戻ります。

これは、図にある通り、底に小さい穴が開いたボートが水面に浮かんでいるのと同じで、絶えずボートの中に入り込んでくる水をバケツで絶えず汲み取り、ボートの外に捨てます。ここが凝縮器です。

このように冷凍サイクルは、熱を取る冷却部と熱を捨てる再生部から成り立っています。


ー次回は「冷媒」について解説します!お楽しみに♪